電気によるトラブルを防ぐ効果がある絶縁性の作業服の扱い方について

作業服1

現在の機械設備の多くは電気で作動するため、整備などの作業を行う際は感電を防ぐための処置が不可欠です。また、電気工事の現場では高電圧の電気が間近に存在するので、作業時の安全確保を目的とした絶縁性の作業服を着ることが重要になります。

電気によるトラブルを回避する効果を持つ絶縁性の作業服を長く着るために、正しい扱い方やお手入れの方法を学びましょう。

感電がもたらす人体への悪影響

感電は人体に電気が流れて傷害を受けることを意味します。現代社会における感電トラブルの多くは家庭に敷設されている電線や作業現場の電気設備の扱いを誤ることで発生します。また、近年では携帯機器の充電中に誤った操作を行って感電するケースが増加していますが、いずれの場合でも感電による人体の悪影響は非常に大きく、死亡に至る重大な事故も少なくありません。

感電は外傷よりも筋肉や神経、臓器に重篤な損傷をもたらすことが多いのが特徴です。電気が人体に入り込んで外部に放出される際、電気の入り口と出口の付近には火傷に似た傷が生じますが、それ以外の表皮には目立った傷が出来ることは稀です。

しかし、人体を電気が走ることで体の内部から火傷が生じ、筋肉や臓器が火で炙られたような状態になります。そのため、感電は死亡率が高い傷害でもあります。感電は小規模な傷害でも生活に支障をきたすほどの後遺症が生じることも珍しくありません。

これは、電気が体内を走ることで人体の機能を損傷させる強い刺激が体の内部から発生するためです。外見に異常が無いので軽く考えがちですが、体の内部がぼろぼろに焼け焦げているのが感電の大きな特徴です。目立った外傷が出来にくいので適切な治療が遅れやすく、身体器官が壊死することもあります。

仕事現場で起こる電気トラブルの詳細

仕事現場で電気がもたらす人体へのトラブルは機械設備や配線からの漏電による感電が多数を占めます。工場にある機械設備は過酷な環境で長時間作動しているので部品が劣化しやすい傾向があります。中でも配線設備は細い電線が傷みやすいことから、破損した電線やその周囲に触れることで感電するケースが少なくありません。

周囲が水で濡れていると電線に直接触れていなくても感電する危険があるので、機械設備に損傷が生じている場合は絶縁性を持つ手袋を用いるなど、事故を防ぐ工夫が求められます。また、電気によるトラブルは人体への感電以外に精密機器の破損も含まれます。

電気は人体に残留することがあり、金属に触れると一気に放電します。精密機器の部品などを素手で触れると人体に溜まった電気が伝わり、部品を破損させてしまうので注意が必要です。体内に溜まった電気が放出されると接触面に火花が生じることがありますが、その火花が原因で油脂が燃焼して火災事故を引き起こす可能性があります。

特に石油燃料や有機溶剤は電気の火花でも着火するので、それらを使う仕事現場では火気と同様に放電した時に生じる火花は最優先で避けられるのが普通です。通電している電線が切れて石油燃料に落下して火災が起きたケースもあることから、火花で着火する危険がある物は通電している設備の近くに置かないのが事故予防の工夫になります。

絶縁性を持つ作業服を着るメリットと注意点

電気を扱う作業現場では常に感電の危険があります。作業従事者の安全を確保し、事故を防ぐためには絶縁性を持つ作業服を着るのが最も効果的です。電気を通さない絶縁性の靴は古くから作られていましたが、足元はガード出来るものの、他の部位からの放電をはじめとする感電トラブルの予防には適さない欠点がありました。

その点、絶縁性の作業服は全身を覆うのでどの部位に触れても感電するリスクを大きく減らすことが可能です。また、自身の体内に溜まった電気の放出も防ぐので精密機器の製造現場でも火花による部品破損が起こる心配がありません。

機械設備の整備や配線設備の敷設は常に感電の危険があるので、絶縁性がある服を着ることで死亡を含む重大なトラブルを防ぐことが可能になります。絶縁性を持つ作業服は着用している人を感電から守る効果がありますが、感電予防の効果は決して万能では無いことを注意する必要があります。

市販の絶縁服はその殆どが家庭用の電気に一瞬だけ触れた状況を想定した作りになっています。家庭用の電気に対応出来る程度の絶縁性はありますが、高圧線に長時間接触するなどの状況には不向きです。作業服の材質によっては一回限りの使い捨ての物があるので、重大な事故を防ぐためには正しい扱い方を厳守することが重要になります。

絶縁性を持つ作業服をお手入れする際の注意点

作業服の絶縁性は家庭用の洗濯機で洗浄しても性能が劣化しないとされていますが、現実には作業服の材質に左右されます。安価な作業服は何度も洗濯を繰り返すことで絶縁加工が施された繊維が傷み、摩耗や断裂が生じます。

繊維が傷むと絶縁性が損なわれるので、作業服は定期的に新品と交換するのが事故予防のポイントです。

その一方で絶縁性の作業服は高額な物が多いので、安易な買い替えは支出が嵩む原因になります。作業服を傷めないためには頻繁な洗濯は避けるのが賢明ですが、付着した汚れが電気を通してしまう可能性もあります。絶縁性の作業服の品質を保つには重ね着を行うなど、衣服に汚れが付着しないように工夫することが大切です。

作業服のお手入れは絶縁性を損なわないように行うことを心がけます。繊維を傷めないように、シワ伸ばしやケバ立ちの除去は慎重に行います。作業服の乾燥は風通しが良い日陰で行う他、アイロンはかけないのも絶縁性を保持する方法のひとつです。

作業服の絶縁性と商品価格の関係

絶縁性を持つ作業服は特殊な加工が施されているので、一般的な衣類よりも高額なのが普通です。また、同じ絶縁服でも商品価格に大きな差がありますが、これは使用方法と生地の材質が関係します。同じ絶縁服であっても、何度も繰り返し着用する作業服と一回限りの使い捨て用の簡易的な作業服では価格の差は歴然です。

使い捨ての作業服は安価なものが多い一方、生地の耐久性は低いのでわずかなこすれや引っ張りでも破れる可能性があります。そのため、見た目に問題が無くても一度使用した物は必ず廃棄するのが感電を防ぐ条件です。

何度も着用する作業服の場合は生地の材質が価格に大きく影響するので、基本的に良質で肌触りが良い作業服のほうが高額になります。また、洗濯を繰り返しても絶縁性が損なわれない、頑丈な作りの作業服も高額な物が殆どです。

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